産地情報

JA直鞍 若宮花倶楽部

福岡県

 住所  宮若市
生産者名 JA直鞍 若宮花倶楽部
  • 品目名
    トルコギキョウ
  • 品種名
    数百種類
  • 出荷時期
    10月・11月
ポイント 長引く不況が花き産業にも影響を与えるなか、安定した生産傾向にあるトルコギキョウ。栽培が盛んな福岡県宮若市のJA直鞍 若宮花倶楽部では、品種試験に加え、栽培方法の確立をめざした展示実証圃場の設置、市場や花商、消費者に対するPRイベントの開催など業界全体を牽引するべく積極的な活動を行っています。活動内容を中心に有吉部会長に話をうかがいました

―JA直鞍 若宮花倶楽部とは。

若宮花倶楽部は6軒の花農家が集まり、数百品種のトルコギキョウを共販しています。周年出荷できる花ですが、私たちは10月と11月の秋出荷を主体に栽培しています。

―景気の低迷が続くなか、トルコギキョウの消費量は伸びているようですね。

品種の多様さや花持ちのよさから人気が高まっているのではないでしょうか。若宮花倶楽部でも多いときは約500品種を生産します。一本に花三輪、蕾一花を付けた状態で出荷しますが、満開から1、2週間ほど楽しむことができます。トルコギキョウは温度差や天候の急激な変化に弱く栽培が難しいため、市場への供給は安定しませんが、需要は多いのでそれなりの値がつきます。そういった意味で、生産者の収入は安定しているほうだと思います。

―展示実証圃場についてお聞かせください。

平成17年より組合員の圃場を利用した展示実証圃場を設置し、品種試験をはじめました。現在は14アールほどの圃場をメーカーや生産者に公開し、さまざまな意見交換をしながら、新たな品種の研究や栽培方法の確立に取り組んでいます。 盆地的な地形である宮若市は夏の暑さ、冬の寒さが厳しく、トルコギキョウの栽培環境としては決してよいとはいえません。しかし、そのような環境でも一定の成果を出すことができており、他地域の生産者の参考になっているようです。

―市場、花商、消費者へは具体的にどのようなPRをしていますか。

新品種ができたときは、花をラミネートしたパンフレットを市場に送ります。また、トルコギキョウは結婚式に大変人気があるため、関東地方などの遠隔地からもブライダル業界をおもな取引先とする花商を招き、圃場見学なども行っています。 消費者に対しては、今年の出荷期の秋ごろ、トルコギキョウの認知度アップと消費拡大を目的に、10月は福岡花市場と天神地下街で開催される花浪漫祭に、11月には北九州花市場で開催される北九州花浪漫祭で、トルコギキョウを各500本、総数1000本の無償提供を行い、また、店ごとのアレンジメントの展示協力や無料フラワーアレンジメント教室の実施など行います。

―今後、花き業界にはどのようなことが必要でしょうか。

トルコギキョウは全国で時期をずらしながら周年出荷される花ですが、出荷量が少なくなる冬期は、台湾など海外から品質のよいものが輸入されます。他の花も、同じような状況なのではないでしょうか。 冬期におけるトルコギキョウの国内のおもな産地は静岡県、高知県、福岡県です。静岡県と高知県は高級品種を主力としているところが多く、一方で私たちはブライダルや葬儀で使う業務用の花を中心に栽培します。「すみ分け」をすることでより集中して品質の高い花を安定生産することができ、ひいては国内産業を守ることにもつながります。花き業界全体にいえることですが、競争ではなく、今後は共存していく方法を考える必要があると思います。

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